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IT大学レポート起業家の育成をテーマに実践と理論を学ぶ新専攻開設
大学に蓄積された技術ニーズをビジネス化することで、新たな企業が全国で生まれている。大阪産業大学では、「社長を育てる」ことを目的としたユニークな新専攻を準備している。技術と経営を学ぶことで、起業能力のある人材を育成しようというのだ。国内初のその試みから平成の大学発のベンチャーモデルが生まれるか、大学も企業も注目している。 【月刊e・コロンブス 2003年12月号】

【工学科にMOTを導入 経営がわかる技術者を育成】
ベンチャー企業の創出に注目している大阪産業大学が起業家育成を目的とした「アントレプレナー専攻」を大学院工学研究科に新設。04年4月の開講に向けて準備を進めている。
同専攻のコンセプトは、ズバリ「社長を育てる」こと。日本の起業率は、他国と比べてかなり低い。そうした状況にあって、人材育成をしっかり行うことで、ベンチャー企業の創出を支援していくのがネライだ。
こうしたベンチャー社長の養成を目的とした専攻の開設は全国的にも稀有な例。実際、脚光を浴びている大学発ベンチャーの多くは、学内にある技術ニーズをビジネス化することを重視している。だが、同大学の山田教授は「シーズを生み出すだけではベンチャー企業の創出は行き詰まる。だが、起業能力を持つ人材を育てることで、継続的な起業が可能になる」と指摘している。
この他に工学研究科では“経営のわかる技術者の育成”を図るMOT(技術経営)教育にも力を入れており、それも注目されている。現在、研究開発から人材育成まで総合的なノウハウを組み合わせていくMOTの教育が盛んになりつつあるが、ほとんどの大学では、“技術の分かる経営者の育成”に力を入れている。
これに対し、大阪産業大学では工学系の専攻としてMOT教育を展開し、モノづくり(工学)を基礎に経営を学べる体制を構築。そこで“経営のわかる技術者の育成”を目指そうとしている。
【実学を重視した充実のプログラム】
「アントレプレナー専攻」で学ぶ学生の目標は、起業して社長になること。それだけに教育プログラムもユニークだ。
そのひとつが教授法。同専攻では、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)システムによるカリキュラムが組まれる。これは課題設定型の学習手法で、必要に応じて授業を開設するというもの。
たとえば、学生の中から独創的なアイディアが生まれた場合は、その時点で特許申請に関連する口座を開設して履修させる。すでに欧米で効果をあげている手法だが、国内での本格導入は同大学が初めてだ。
こうした教授法を導入することで個人で異なるニーズにも対応できる。山田教授は「自発的に研究できるので、強いモチベーションがカギになる」と利点を話している。
【ノウハウを蓄積し将来は学部でも開設】
大阪産業大学では、以前から産学官連携や大学発ベンチャーの設立などを積極的に推進してきた。特に大学側と山田教授が折半出資で設立した(株)オーエスユーは純大学発ということで注目を集めている。


 

◎大阪産業大学工学研究科アントレプレナー専攻の特色
【履修科目(プロジェクト)】
●ベンチャーPBL:修了後、すぐに起業するためのプログラム
●産学連携PBL:修了後、数年を経てから起業するためのプログラム
●研究開発PBL:起業ではなく、通常の修士研究を目的とするプログラム
【主な特徴】
●修士論文作成に替わり事業計画書を作成するプロジェクト(18単位)を実施、最終的には、学生自身が実際に起業し社長になることを目指す
●工学研究科内に設立し、モノづくり(工学)を通じてMOT(技術経営)教育を実施することで、「経営の分かる技術者」を育成する
●自ら課題を設定し学習に取り組む「PBL(課題設定型学習)」システムを導入。マネジメントの実学を提供できる体制を整える
●学内の教授陣に加え、産官からも幅広く講師陣を招聘し、起業に向けた万全なバックアップ体制を整える
●社会人やシニアにも門戸を開放。平日夜間や土日祝日だけの履修でも終了できる柔軟な時間割編成を導入する
(要注意:いずれも記事執筆時点での計画)

 
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