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大学発ベンチャーの挑戦・初の“純・大学産企業”
多孔質の新素材 10分野で実用化にめど 【日刊工業新聞 2003年11月20日(木)】

「大学が出資しての純・大学産のベンチャー企業は初のケース」というのはオーエスユー社長を兼務する山田修大阪産業大学教授。自身が研究にかかわり合って23年という燃焼合成で多孔質の新素材を開発。「今、10分野での応用を見いだしており、これから企業化に入る」と力が入る。
燃焼合成法の技術が花開くまでには長い道のりがあった。80年に金沢大学大学院を終了後、大阪産大助手として身を置きながら、大阪大学産業科学研究所の小泉光恵所長(当時)の指示を受け「ロシアで開発された原理」を基に燃焼合成法の共同研究に着手。87年に日本で初めて技法を確立した。
この特許技法は、数種類の金属などを混ぜて、始めに供熱、発熱で連鎖反応を起こして燃焼合成する技術(マッチの発火と同じ現象)で、これを使い高純度の金属化合物やセラミックス粉末などを製造する。「瞬間的に燃えて化合物ができる技法にとりつかれた」という。
企業化は全国初の大学単独にこだわり、大産大が49%、山田教授が51%の出資比率で設立にこぎつけた。狙いは「教授陣が設立ノウハウに直接携わることで大学生がベンチャー企業を興す時に、我が社の利益を基金に活用できる」と想いを語る。
今、燃焼合成法で生まれた多孔質の新素材が何に使えるのか、テーマを絞り、10分野で使えるめどをたてた。実用化に向けた進め方は「マンパワーと資金力に問題があるため、プロトタイプを開発してやる気のある企業を提供してロイヤルティーを得る」ことを考えている。
実用化が期待される一つは「超高温過熱水蒸気発生システム」だ。導電性や耐熱・耐食性に優れる多孔質体の特徴を高周波加熱用ヒーターに活用し、1000度Cを越す高温過熱水蒸気の発生に成功。三庄インダストリー(東大阪)に技術移転した。ダイオキシン処理や粉体の乾燥、半導体の表面処理や医・食品の滅菌処理など用途を探る。

 
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