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教育効果を追求する“純大学発”ベンチャー
“大学発ベンチャー”が脚光を浴びている。だが、大阪産業大学教養学部の山田教授が中心となって設立したオーエスユーのように、大学そのものが全面的にバックアップしている例は、実はほとんどない。「当社の場合も、ベンチャーキャピタルなどから出資の申し出があり、個人でやろうと思えば出来ました。しかし、まずは大学が中心になってどこまでやれるかチャレンジしてみたかった。そこで民間の出資を断り、大学に働きかけたのです」と同社の社長を務める山田さんは話す。 【コロンブス 2003年11月号 雑誌掲載】

設立は00年12月。大阪産業大学には、ベンチャー企業に出資した例がなく、説得に1年も費やしたとか。
山田さんが“真の大学発”にこだわる最大の理由は「営利目的だけの企業になってしまうと、学生への教育効果が薄れてしまう。それでは大学発ベンチャーの意味がない」という持論からだ。
とはいえ、本当に効果が上がるのかは、山田さん自身が疑問だったという。しかし、院生などに研究開発をやらせてみると、すぐに自らの考えが正しかったと実感する。「自分の開発したモノが実際に商品化される。学生にとって、この感動体験は何ものにも代えがたい」ものだった。モチベーションを高めた彼らは、自主的にテーマを見つけ、それこそ寝食を忘れて研究に打ち込むようになったのだ。
最も成果を上げられたのは「企業」として通用する、画期的な技術のシーズがあったから。同社の柱になっているのは、燃焼合成という科学合成を活用した新素材、特にセラミックス多孔質体だ。応用分野は環境浄化、触媒、熱交換機、ヒータ材料、蒸散機能の応用など、極めて幅広い。テーマごとに異業種の企業と共同研究を行い、すでにいくつかの最終製品を生み出している。
「現在は、産学連携のオンパレードですが、シーズを持つ“学”と利潤追求を急ぐ“産”の間には、大きな溝がある。これを埋めるのが大学発ベンチャーの役割です」と山田さんは話す。
その後、同社の成功を模範にして、大学から3社のベンチャーが誕生。来春には起業を目指す学生を対象にした「アントレプレナー専攻」を大学院に設ける。もちろん関西の大学では初となる。大阪産業大学は、大学発ベンチャーで、存在感をイッ気に増す勢いだ。はたして“純大学発”が成功するか、気になるところだ。

 
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