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技術立国「日本の逆襲」・大学からのアプローチ
「大学発ベンチャーも地元の産業に働きかけ、積極的にかかわっていく時代になっているのです」 【産経新聞 2003年8月22日(金)】

大阪産業大学(大阪・大東市)教養部の山田修教授(無機材料化学)は、大学発のベンチャー企業「オーエスユー」の代表取締役でもある。同市と隣接する東大阪市などの中小企業とは共同研究を通じて縁が深いことから、大学が持つ独自技術を「すぐに使える」産業のタネとして、企業と直に交渉したうえで製品化に結びつける異色のベンチャーを起こした。
「熱を出したり、電気を通したり、これまでにない有用な性質を持つセラミックスです」と山田教授は、わかりやすい表現で話しながら、白い塊が入ったガラス瓶を差し出した。
内部に軽石のように微小な孔(あな)が入った{多孔質セラミックス」という素材で山田教授が開発した。
熱を加えなくても、化学反応により自ら1500~3000度の熱を出して焼き物であるセラミックスにな通常、セラミックスは電気を通さないが、この素材は電気を通す。さらに内部に無数の孔があるので、そこに、化学反応を促進する触媒の役割がある金属をつけると効率のよい触媒や環境浄化のシステムをつくることができる。耐熱性などに優れているので、1000度以上の水蒸気が出せる装置も開発した。これは、公害物質の分解など用途は広い。
この素材など大学で開発された成果を製品化のひな型(プロトタイプ)の段階にまで仕上げたうえで、東大阪など地元の中小企業のニュービジネスに役立ててもらおう、というのだ。
平成10年の「大学等技術移転促進法(TLO法)」の施行などで、大学ベンチャーが全国各地で発足している。平成12年に発足した大阪産大のベンチャーは大学と大学関係者だけで出資する全国でも珍しいパターンだ。とはいえ国立大学の独立法人化で大学ベンチャーが急増することが予想されるだけに、生き残りをかけた作戦でもある。
「開発した大学側が企業と直接、素材の用途などを示してお互いに議論を重ねていくと理解が深まり、ビジネスチャンスも見つけやすくなります」と山田教授。
すでに製品化されているのはセラミックスの孔に香料を入れた芳香剤。効き目が従来の三倍は長持ちするという。
TLO法施行前の平成9年に近畿大学、大阪産業大学、関西大学、奈良先端技術大学など五大学・研究機関に参加を求め「大学等技術推進協議会」を発足した。

 
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