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挑む起業家たち 大学発、学生に経験伝授
大阪産業大学教養部の山田修教授が、研究テーマのセラミックス新素材の開発を手がける「オーエスユー」(本社・大阪府大東市)を設立したのは2000年末。研究成果を社会に還元しようという思いが出発点だった。 【朝日新聞 2003年5月25日(日)】

会社名を大学の英語名の頭文字(0SU)からとったのにはわけがある。大学の全面支援を得るため、資本金1千万円のうち、自己負担を除く940万円を大学に出資してもらったからだ。当時、大学がベンチャー企業に出資した例は見あたらず、「前例がない」と渋る大学側を「大学の独自性につながる」と1年がかりで説得した結果だった。
大学が出資したベンチャーとして注目され、山田教授はビジネスフェアへの展示や起業家向けの講演に年間数十件招かれるようになった。食品や環境装置など専攻分野以外の企業が技術に興味を持ち、研究室を訪れるようになった。「研究者と違って、企業はよい素材の使い道を具体的に提案しないといけない。専攻以外の人と話すことで、新たなアイデアが生まれてきた」という。
山田教授が開発した「セラミックス多孔質体」は3次元の網目状をした多孔質構造で、水分をよく吸う。通常のセラミックスと違って電気の伝導性が高く、軽量で耐熱性も高い。1000度近い高温の加熱ヒーターの材料や、燃料電池の電極、エンジンの触媒などに用途が見込めるといい、地元企業10社と共同開発を進めている。一部は製品化も始まった。
03年度は開発業務や新素材の製造、販売を柱に約3千万円の売り上げ目標をたてている。できるだけ早く1億円に乗せるのが当面の目標だ。
教官として、物理学など週12時限の講義を受け持つ。自分が蓄えた企業の経験を教育にも役立て、次代のベンチャー人材を育てることが夢だ。
オーエスユー設立後、大学側もベンチャー創出に熱心になり、大学が出資して学生が社長を務めるベンチャー企業も2社生まれた。「学生も自分の研究が製品につながると知ると目つきが変わる。いい動機付けになる」。事業を伸ばすとともに、自分の経験を学生への教育にどう生かしていくか。その仕組み作りを考えることが頭を離れなくなった。

 
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